第四話 ゴシック体

第四話 ゴシック体

 明朝体と並んで馴染み深い「ゴシック体」。活版印刷を発明したグーテンベルクが開発したラテン文字は後年ドイツの国字となり「ドイツ・ゴシック」と呼ばれましたが、装飾が多く読みにくい書体でした。20世紀に入って文字の装飾を廃して太さを一様にした「サンセリフ」という書体が開発されて流行する中で、アメリカ人のベントンが開発した書体「オルタネート・ゴシック」が日本に輸入され、長い名前を省略して「ゴシック」と呼ばれました。それがいつの間にかすべてのゴシック体の総称になってしまったというのが名前の由来のようです。

 「サンセリフ」というのは、「セリフ」と呼ばれる装飾用の尖った出っ張りがない書体の総称ですが、日本のゴシック体は欧米のサンセリフにならったものと考えられるものの、その発祥は定かではありません。また完全に装飾がないわけではなく、わずかに毛筆の「止め」のニュアンスも見られることから、隷書体にルーツがあるのではないかという説もあります。左図の游ゴシックや小塚ゴシックのようにわずかに装飾のあるゴシック体を「セリフ系ゴシック体」と呼ぶ場合もあります。

 メリハリの少ないゴシック体は、一般に明朝体に比べて可読性が低いと言われ、本文には不向きとされています。そのため見出しなど大きなサイズで目を引く必要がある部分に多用されます。

 活字時代には選ぶほど種類のなかったゴシック体ですが、写植の普及によって書体のバリエーションも増えていきました。中でも写研の「ゴナ」は線がすべて均等な幾何学的でモダンなデザインで一世を風靡しました。今ではスタンダードになったモリサワの「新ゴ」、フォントワークスの「ロダン」などは、ゴナの影響を受けて開発されたものです。

あなたの知らないふぉんとのはなしの最新記事8件

>CX向上のためのCSR講座

CX向上のためのCSR講座

顧客満足度を向上させるための要素として、CX(カスタマーエクスペリエンス)の重要度が高まっています。顧客が企業や店舗を選定する上で、商品そのものの良さや金額の納得感だけでなく、その企業や店舗を通しての「顧客の経験」全体が満足度と密接に関係しているからです。そして「経験」の中には、その企業がどんな企業なのか、どのような理念をもって活動しているのか、といった企業そのものへの評価も含まれています。顧客は「良き企業」との経験を通じて満足度を高めていくと考えられます。 そして「良き企業」に向かうためのキーワードが「CSR」です。環境保護、働き方改革、SDGs、コンプライアンス、社会貢献など、 近頃話題になっているこれらのキーワードはすべて「CSR」の取り組みです。企業に対する社会の目が厳しさを増す今日、「CSR」を理解しておくことが実はCX向上への近道なのです。主に中小・中堅企業の経営者、経営幹部、総務部長、CSR担当者向けにCX向上のためのCSR講座を開催します。

CTR IMG