【連載】MUDとは? 〜MUDはこんなところで使われています(事例紹介)〜

さて、ついに最終回となりました。今回はMUDの事例をご紹介します。

【事例1】STOP!自殺 生きるのがつらそうな友だちのために、あなたにできること。/㈱協進印刷

対象:命に関わる情報なので、だれもが情報を受け取れるように

工夫点:
・図やキャラクターを多く使い老若男女に理解しやすい表現
・色覚障がい者の方でも判別やすい色使い
・小学4年生以上で習う漢字にはフリガナ

協進印刷が展開する「cocollaboソーシャルえほん」シリーズの自殺抑止啓発冊子です。2020年の自殺者が11年ぶりに増加したと発表されたことを受け企画されました。
この活動は、SDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」に貢献できることはもちろん、MUDを用いることで、SDGsゴール10「人や国の不平等をなくそう」にも貢献しています。 

【事例2】レジコミュニケーションカード/杉山メディアサポート㈱
<第15回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション 一般の部 経済産業大臣賞受賞作品>

対象:お店を利用するお客様と店員

工夫点:マスク越しの「聞き取りづらい、伝わらない」を解消するために、意思を伝えることができるカードです。レジ袋やポイントカードなど確認事項の多いコンビニエンスストアでの使用を想定しており、マスクで口元が隠れていることでコミュニケーションが取りにくい聴覚障害の方や、海外の方もカードを提示することでスムーズな意思疎通が可能です。

【事例3】あのひと手帖/高橋美羽さん(静岡文化芸術大学)
<第15回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション 学生の部 経済産業大臣賞受賞作品>

対象:相貌失認の方、初対面の相手を覚えることに自信のない方

工夫点:マスクのせいで顔が覚えづらい、先天的に顔をうまく認識できない相貌失認の方や、 記憶力に自信のない方、 情報の整理が苦手な方が、出会った人を覚えやすくするための手帖です。
テンプレートに対して、記入したい箇所だけ記入します。見返して思い出したり、記入するというアウトプットで記憶がより鮮明になります。
手帖はカラーがページごとに異なり、またシールが付属されているため、覚えたい人の印象にあったページを作成できます。

【事例4】I.SCALE/土川彩音さん(浜松デザインカレッジ)
<第14回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション 学生の部 経済産業大臣賞受賞作品>

対象:家や公共施設を利用する人

工夫点:日常生活に溶け込む防災意識向上のためのグッズです。壁に貼り付けるスケールをつかって、自分の身長を基準にし、洪水、津波、土砂災害、積雪による被害域を数値で表すことで危機感をもってもらおうという試みです。また、具体的にどれくらいの距離なのかを実感することで「ソーシャルディスタンスの2mってどれくらい?」という疑問の解消にもつながります。

【事例5】災害時情報共有ツール/松本印刷㈱
<第14回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション 一般の部 経済産業大臣賞受賞作品>

対象:災害に備える全てのひとに

工夫点:災害時も健康的に過ごすための情報をまとめたガイドブックです。避難所やライフラインが止まった自宅でも健康に快適に過ごせるようにというコンセプトで作成されています。
全ページ切り離すことができるので、共用部への掲示をすることも可能です。内側に住所や氏名、持病など個人情報の記入ができる抗菌加工を施した2つ折りの「抗菌マルチケース」も同封されており 、緊急時用に紙幣やマスクをしまっておくことも可能です。

全日本印刷工業組合連合会のホームページには、他にもたくさんの事例が掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください!
http://www.aj-pia.or.jp/mud_competition/

【連載】MUDとは?
第1回
第2回
第3回
第4回

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